つくば市の農業は、生産量日本一を誇る芝をはじめ、銘柄産地指定を受けているネギや、皇室献上米であった北条米など多くの農産物生産地として知られている。しかし近年は、全国の農業事情と同様に農業従事者の高齢化や担い手及び後継者不足など、厳しい状況となっており、農業の人材育成・確保は重要な課題である。
このようななかで、平成22年4月27日の行政刷新会議の事業仕分けにより、つくば市観音台へ2008年に移転してきたばかりの農業者大学校に対し廃止判定が下された。農業者大学校は、農業者を育成する唯一の国立教育機関であることから様々な経歴を持った学生が全国から集まり、つくば市観音台の農林団地内への立地を活かして、研究チーム派遣実習などにより高レベルな技術を習得している。また、全国的なネットワークにより平成21年度卒業生の就農率は90%を超え、さらには非農家出身および農学系以外からの就農が半数以上となっていて、新規就農者を獲得する大きな役目を果たしているところも注目すべきところである。今年はそのうち4名がつくば市内に就農し、つくば市農業にとっても貴重な人材育成・確保及び今後の農業発展に大きく貢献することを期待しているところである。
今回の農業者大学校の廃止によって、全国の農業リーダーとなる担い手や後継者及び新規就農者の芽を摘むことになることが強く懸念され、つくば市における農業についても多大な影響を及ぼすものであると言える。
以上のことから、国会並びに政府におかれましては、このような農業事情を踏まえ、農業大学校を存続するよう強く要望する。
地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年6月18日
つ く ば 市 議 会
(提出先)
農林水産大臣 山 田 正 彦 様