第5号 自主性、自律性をもった地方教育行政の推進と全国一斉学力テスト、教員免許更新制にかかわる陳情
平成19年2月28日
請願・陳情第5号
平成19年2月28日受付
つくば市議会議長
久保谷 孝 夫 様
陳情者 住所 **************
氏名 ****************
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自主性、自律性をもった地方教育行政の推進と全国一斉学力テスト、
教員免許更新制にかかわる陳情
【陳情の趣旨】
2006年12月15日に教育基本法「改正」案(以下、改定教育基本法)が国会を通過しました。私たちは、1947年につくられた教育基本法は、憲法の理想の実現を教育の力に求め、子どもの人格の完成をめざす教育は、国民に対する直接責任をもってすすめられなければならないことを定めた大変重要な「教育の憲法」であり、変えるのではなく、もっと生かすべきであるという立場から、政府提出法案は、改正ではなく改悪である、と反対のとりくみをすすめてまいりました。
先の国会審議でも、改定教育基本法は、子どもと国民の内心の自由を侵すものであり、教育の自由と自主性を蹂躙して、時の政府の言いなりの教育に変えてしまう危険性があることが明らかになりました。これは、改定教育基本法が、憲法第13条、19条、23条、26条に違反する重大な疑義があることを示すものです。
私たちは、改定教育基本法成立のもとで、地方教育行政には、いっそう自主性、自律性が求められると考えています。それは、憲法上重大な疑義がある改定教育基本法であるがゆえに、これにもとづいて具体化されてくる政策が憲法に背反しないかどうか、一つひとつについて吟味、検討が求められるからです。また、そうした施策が、本当に地域の子どもたちや父母・住民、教職員にとって役に立つのかどうかについても、これまで以上の自主的検討と判断が地方教育行政には求められると考えています。
地域住民に密着してすすめられる地方教育行政の役割は重要であり、これまでも地方独自に少人数学級を実施するなど、国の施策をこえて自主的なとりくみをすすめてこられたことと思いますが、今後、さらに地方教育行政の自主性と自律性を高められ、子どもたちや父母・地域住民の願いにそった施策を遂行されることを強く求めるものです。
私たちは、改定教育基本法の具体化として、当面、2つの大きな問題があると考えています。
第1は、全国一斉学力テストの実施です。子どもたちは今でも国連からも指摘される過度な競争で苦しんでいますが、全国一斉学力テストは、いっそう競争を強め、子どもたちを序列化するものです。学校ごとにテスト結果が公表されれば、学校の格差づくりにつながるという重大な問題を広げることとなります。学力テストの実施の判断は、市町村教育委員会にある、というのが学力テストにかかわる最高裁判決であり、文部科学省もそれを確認しています。さらに、学力テストは民間企業(小学校はベネッセ、中学校はNTTデータ)に丸投げしておりますが、実施マニュアルには児童生徒の個人情報(男女、組、出席番号、名前)を明記することを求めており、民間企業が小6、中3生の個人情報を全て握ることになります。
全国一斉学力テストには参加しないことが望ましいと考えますが、少なくとも実施権限を持つ市町村教育委員会の判断を尊重して対応されるよう強く要請します。
第2は、教育職員免許法を改悪して、教員免許更新制を導入しようとしていることです。教員免許更新制は、教員がいつ首を切られるかわからない、きわめて不安定な身分におくものであり、諸外国でも例を見ないものです。こんなことをすれば、教員を志望するものが激減することは火を見るよりも明らかであり、地方教育行政に重大な支障をきたします。
つきましては、下記事項について、地方自治法第99条にもとづいて、政府に対する「意見書」を提出していただくよう陳情するものです。
記
1.全国一斉学力テストを中止すること。
2.教員免許更新制を導入しないこと。