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議案名

第4号  市民後見人の育成及び活用を図るために必要な施策の推進についての陳情書

受理年月日

平成25年8月5日

内容

陳情25第4号
平成25年8月5日

つくば市議会議長 様

                        陳 情 者 住所 茨城県水戸市中央2丁目5−8
                                   第2くわばらビル2階
                             氏名 特定非営利活動法人
                                茨城成年後見サポートセンター
                                   理事長 齊藤 章
   市民後見人の育成及び活用を図るために必要な施策の推進についての陳情書

1.陳情事項

 市民後見人(成年後見等業務(後見、保佐、補助の業務)を適正に行うことができる人材)の育成及び活用を図るために必要な次の施策を推進されるよう陳情するものです。
@ 研修等の継続的な実施をとおして、市民後見人を育成すること
A 育成した市民後見人を、後見等の業務を適正に行うことができる者として家庭裁判所へ推薦すること
B 後見等開始に係る市町村長申立制度の積極的な活用をとおし、市民後見人を後見等業務に数多く登用すること
C 後見等業務に係る市民後見人からの相談に応じ、助言する等の後方支援を行うこと

2.陳情の背景
1)後見等業務の担い手のシフト ―親族から他人へ―
 成年後見制度がスタートした平成12年、新たに成年後見人等に就任した者のうちの8割超を被後見人等の親族が占めていました。その後、後見等開始の審判件数が増加を続けているのとは対照的に、後見人等に就任する親族の数は低下を続け、平成24年に後見人等の親族割合が50パーセントを割り込みました【図表1】。後見等業務の担い手が親族から他人へとシフトしてきていることが窺えます。
2)市民後見人の不足
 被後見人等の親族以外で後見人等に就任する人の多くは、法律や福祉の専門職である司法書士、弁護士、社会福祉士となっていますが、今後の後期高齢者人口比率の上昇などを背景として、後見等業務への需要が社会的に高まってくることが確実となっている我が国においては、成年後見制度を支える後見人等への就任をこのまま専門職にのみ頼り続けるならば、近い将来、人材不足に陥ることが予想されます。
 そこで、「市民後見人」と呼ばれる後見等業務を適正に行うことのできる人材を育成し、後見等業務の現場で数多くの市民後見人に活躍してもらうことが社会的要請となっています。その一方で、平成24年に後見人等に就任した市民後見人は、131人に留まっているのが実情です【図表2】。比率にすると、全体のわずか0.4パーセントに過ぎません。
3)後期高齢者人口比率の上昇
 茨城県の後期高齢者人口比率は、平成42年までに20.0%に達すると推計されています【図表3】。5人に1人が後期高齢者という社会がすぐそこまで近づいてきているのです。
 後期高齢者人口比率の上昇は、認知症患者数の増加による後見等業務への需要圧力を高める一つの要因になると考えられます。
4)精神疾患患者数は増加傾向
 認知症を含めた精神疾患通院患者数の推移を見ると、茨城県では、ここ数年増加傾向にあります【図表4】。精神疾患患者数の増加は、後見等業務への需要圧力を高める一つの要因になると考えられます。

3.陳情の理由
 以上のとおり、今後、後見等業務への需要が社会的に高まってくることは確実です。成年後見制度を将来にわたって意義深いものとするためには、その重要な担い手である後見人等が不足することがあってはなりません。
 とくに、「認知症の人は精神病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方から「住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けること」が重視されるようになってきている今日、市民後見人の育成と第一線での活用が急がれます。
 認知症患者が住み慣れた地域で日常生活を送るための支援を強化していくことを国も打ち出しており【図表5】、とりわけ、成年後見制度に関しては、すべての市町村で市民後見人の育成・支援組織の体制が整備されることを目標として掲げています。
 以上のことから、本陳情書「1.陳情事項」に示した施策を緊急かつ協力に推進されるよう陳情するものです。

4.施策推進により期待される効果
 「1.陳情事項」に示した施策を推進することにより、次の効果が期待されます。
@ 市民後見人を確保できる体制を整備・強化することができます。
A 「住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けること」との理念の下、地域が一体となって進める医療福祉体制の構築を推進することができます。

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