第4号 中根・金田台特定土地区画整理事業に関する請願書
第4号
平成23年2月18日
都市建設常任委員会
平成23年3月22日
不採択とすべきもの
平成23年3月25日
議決結果:不採択
請願23第4号
平成23年2月18日
つくば市議会議長
飯 岡 宏 之 様
請願者 中根・金田台区画整理対策協議会
代表 *******
住所 つくば市******
紹介議員 橋 本 佳 子
田 宮 直 子
永 井 悦 子
瀬 戸 裕美子
金 子 和 雄
中根・金田台特定土地区画整理事業に関する請願書
請 願 趣 旨
日本経済は、長期に渉って低迷し、国も地方自治体も税収が伸び悩み、毎年赤字を積み重ねているのが現状です。このような状況の下、中根・金田台特定土地区画整理事業は、平成6年の沿線開発全体に対する三者合意から、既に16年が経過しています。このまま環境を破壊しながら区画整理事業を続けても、財政赤字が増大するばかりです。
そこで、中根・金田台区画整理対策協議会(建付地地権者の会)は、つくば市及びつくば市議会に対し、金田台の自然環境と生態系を保護し、金田台居住者の権利を守るために、以下の事項を請願します。
請 願 事 項
1 本件区画整理事業区域内に居住する建付地地権者のうち、換地を望まない者については換地を行わないこと。
以下に理由を示す。
(1)我々、請願者は移転することを望んではいない
本件事業は、金田台に居住する我々が要望したものではなく、合意もしていない。UR都市機構(以下、URと略記する)の実施した「換地のアンケート」に回答した建付地の地権者もいるが、これはいわばURの「脅し」に屈したものであり、当協議会に所属する地権者は、基本的に換地には反対である。
(2)建付地の地権者の精神的・経済的負担が大きい
当協議会に対するURのこれまでの説明は、築年数による建物の再築補償率について、築30年の場合で75.3%から70.6%、さらには6割台と二転三転し(別添資料@〜B参照)、その算出根拠について、これまで我々に明確に説明することもしていない。また、換地先のAゾーンの減歩率について5%台以下との説明(別添資料C参照)していたものが、実際には6%を越す減歩率を提示された建付地の地権者もいる(別添資料D参照)など、URの説明と事業遂行には信憑性、誠実さが欠けている。URの都合次第で、例えばDゾーンは8%台以下と説明していた減歩率も、実際には数10%に跳ね上がる可能性も否定できない。
また、金田台に居住する住民は高齢者も多く、今後、換地による移転・新築となった場合、融資を受けることが実質困難であり、経済的な見通しが立たない。さらに、住み慣れた土地を離れ、隣人の顔も分からない場所に移ることは大きな精神的負担である。
以上のように、我々は将来の負担に対する見通しが全く立たないのが現状である。
2 今後、つくば市として歴史的緑空間用地の取得を行わないこと。以下に理由を示す。
(1)歴史的緑空間の具体的整備計画が不明である
本件事業地域内の建付地地権者のほとんどが居住する金田台地区は、ほぼ全域が歴史的緑空間用地とされているが、抽象的名称だけが先行し、具体的な計画は全く明らかにされていない。何に利用するのかわからないのに、なぜ地区内に居住する我々が換地されなければならないのか理解できない。
(2)つくば市による歴史的緑空間の取得は、合理性がない
歴史的緑空間については、つくば市・茨城県・URとの間で交わされた覚書の存在も明らかになっており、URの先買い地を集約換地したうえでつくば市が買い取るとされているが、区画整理事業の区域内にこのような取引を持ち込む事自体、合理性を全く欠いた暴挙であり、税金の無駄遣い以外の何物でもない。このこと一つとっても、市民のための開発ではなく、URのための開発と言わざるを得ないものである。
URのために地域住民が犠牲になる開発は到底受け入れられない。
3 中根・金田台特定土地区画整理事業、土浦大曽根線以南の工事を中止すること。以下に理由を示す。
(1)事業採算性のない開発は税金の無駄使いである
TX沿線では駅周辺の開発地でも売れ残っているのが現状である。中根・金田台地区は最寄りのつくば駅から4q以上離れており、他地区以上に販売に苦戦するのは火を見るより明らかである。さらに、妻木集落の反対で道路が計画通り主要道路につながる見通しは立っていない。道路環境が整わなければ、売れ残る可能性がますます大きくなる。結果、つくば市の財政負担が膨らみ、住民の税負担が増大する可能性が極めて大きい。
(2)茨城県住宅供給公社の破産は警鐘である
昨年、茨城県住宅供給公社が、売れ残りの土地を多く抱え、多額の債務超過に陥って破産した。区画整理事業計画はバブル期のものである。事業が始まってから、すでに16年が経過しており、無駄な宅地造成は中止も視野に入れて見直すべきである。
土地が売れ残り、土埃の舞う閑散とした土地で暮らすことになりそうな換地を誰が希望するのだろうか。
(3)つくば市は真の「環境都市」を目指すべきである。
「つくば環境スタイル」に記載されている低炭素環境モデルタウン「中根・金田台地区(なかこん)」の実態は、里山のノラ・ヤマ(畑や森林)を破壊して作られる人工環境である。言葉だけは歴史的緑空間といいながらその実態が不明であること、豊かな森林を伐採し、オオタカの生息地内で強引に工事を進めていること等、自然環境保護、生物多様性保全の視点からも、中根・金田台特定区画整理事業は、市が宣言している「森林と里山の保全整備の推進」に反し、時代に逆行する開発である。
つくば市が真の「環境都市」と言えるためには、区画整理事業を見直すべきである。
以上