第11号 「子ども達を放射線から守る対策を求める」請願書
第11号
平成23年8月25日
環境経済常任委員会
平成23年11月9日
趣旨採択すべきもの
平成23年12月16日
議決結果:趣旨採択
請願23第11号
平成23年8月25日
つくば市議会議長
飯 岡 宏 之 様
請願者 つくば市******
放射能汚染から子どもを守ろう@つくば
代表 *******
他8055筆
紹介議員 金 子 和 雄 橋 本 佳 子
永 井 悦 子 田 中 サトエ
「子ども達を放射線から守る対策を求める」請願書
(請願の趣旨)
日頃より市民の安心・安全な生活向上のためにご配慮をいただきありがとうございます。
このたびの東京電力福島第一原子力発電所の事故により、茨城県も見えない被災をしました。
5/27以降実施の市内での放射線量測定では、市内の多くの地域で0.2マイクロシーベルト/時を超える値が計測され、その後も数値が下がっていません。市民有志による測定から、砂場や苔の上では0.7〜1.0マイクロシーベルトという高い値も検出されました。
福島県内で学校などの放射線測定を行った、児玉龍彦・東大教授によれば、雨どいや滑り台の下などは、5〜10倍の数値を検出したそうです。市内にも1μSv/hを超えるスポットは、確実に存在すると考えられます。教授は、放射線量の詳細な測定、除染作業、食品の放射線量のチェックなど、国任せにせず、直ちに対処するべきだと指摘しています。(朝日新聞2011 7/1掲載)
地表の放射性物質による外部被ばくが心配なのはもちろんですが、さらに危険で、今後、より深刻な影響を及ぼすと考えられるのが内部被ばくです。放射線は飛距離が短いほどエネルギーが高く、また、一度体内に取り込まれると、組織内に長く留まるため、細胞が受ける影響が大きいためです。内部被ばくは、飲食、ほこりやちりを吸うことによって引き起こされますので、内部被ばくを低く抑えるには、汚染の可能性のない食品を食べること、校庭、校舎、公園、通学路などで除染を行うことが必須であると考えられます。そうした事態を、私たち子どもをとりまく大人、保護者、特に母親たちは心配しています。
内部被ばくによる細胞の損傷は、外部被ばくより深刻と言われているにも関わらず、文部科学省は、内部被ばくの影響を全体の被ばくの2%であると、過小評価しています。子ども達が被ばくし続けている現状を許容する政府の方針では、子どもを守ることができません。今すぐ、市民と行政が手を携え、知恵を絞って行動して、無策のまま子ども達を危険にさらすことによる健康被害を避けなくてはなりません。今すぐ行動に移すことが、一番重要と考えます。
子ども達が安心して学び、体を鍛え、心を豊かに育めるよう、文部科学省の定めた数値にとらわれず、市民とともにつくば市独自の対策を考え、実行していただけるよう、切にお願い申し上げます。
未来を担う子ども達が安心で健やかに育つ環境をいち早く整えることが“科学のまち「つくば」”の使命だと考えます。
放射性物質の拡散による被ばくから未来を担う子ども達を守るために、以下の項目について、つくば市が積極的に取り組むことを強く求めます。
(請願事項)
1.放射線への感受性が大人より数倍高い子どもについては、外部被ばく・内部被ばくを合わせた被ばく量が、一般人平常時許容量の「年間1ミリシーベルト」以下となるよう、教育現場(幼稚園・保育所を含む)、公園、運動場、通学路について、具体的で有効な対策を早急に立てて実施してください。
@ 市民が参加できる放射能汚染対策検討会を設置すること。
A 学校、幼稚園、保育所、公園、通学路などの屋外活動が行われる環境について、市民と共同で詳細な汚染マップを作成し、ホームページ、広報など様々な媒体を通じて公表すること。また、一度きりの測定に終わらせずに、定期的に測定し、結果を公表すること。
B 汚染が確認された場合は、表土を削り取る、洗浄するなどの除染対策を講じること(砂場も含む)。また、汚染マップの作成と除染処理が終了するまでは、体育の授業、運動会などの屋外活動を制限したり、立ち入り禁止区域を設けるなどして、子どものさらなる被ばくを防ぐこと。
C 除染後の土・汚泥、可燃物の処理方法について検討すること。また、国、県に対し、これを要望すること。
2.最近、報道された牛肉や椎茸のように、現行の測定体制下においては、暫定基準値をはるかに超えた食材が一般に流通しております。汚染された食材が給食を通して子ども達の口に入るのを防ぐために、独自の取組みを実施してください。
@ 給食食材の放射線量を測定するための環境を整備し(測定機器の購入など)、測定結果を公表すること(情報開示)。
A 給食食材を厳選し、できる限り、汚染されていない地域で収穫された食材を給食に使うこと。やむを得ず汚染された地域(注1)で収穫された食材を使う場合は、予め放射線量を測定し、十分に低い値であることを確認すること。また、測定値を公表すること。
(注1)EUが、輸入に際し、放射線測定結果の添付を義務付けた地域。福島、群馬、茨城、栃木、宮城、長野、山梨、埼玉、東京、千葉、神奈川、静岡(2011年7月7日現在)
B @Aの結果、当面、地元産の農産物が使用できない点については、それが「風評」ではなく、汚染の可能性があることを市民に説明すること。また、生産者に対する除染の指導、補償を得るための支援を行い、1日も早く、通常の生産、供給体制を整えられるようにすること。生産者を守るためにすべきことは、生活を補償した上で、農地など生産者の財産を事故前の状態に回復させることであり、子どもを含めた市民が汚染された農産物を食べ続けることではありません。
3.放射線による健康被害は被ばくから数年を経て現れること、現在の汚染実体であるセシウム137の半減期が約30年と長期にわたることから、一度きりの対策にとどめず、継続して被害の発生を敏感に察知する努力をし、新たな知見が得られたら、安全がより高められるよう、随時対策を再検討してください。