第10号 「地域の県立高校の存続と、30人以下学級実現でゆきとどいた教育を求める意見書提出」に関する請願
第10号
平成20年8月18日
文教福祉常任委員会
平成20年9月12日
継続審査
請願・陳情第10号
平成20年8月18日受付
つくば市議会議長
久保谷 孝 夫 様
請願者 住 所 ******
氏 名 ******
紹介議員 滝 口 隆 一
「地域の県立高校の存続と、30人以下学級実現で
ゆきとどいた教育を求める意見書提出」に関する請願
日頃より、本県教育の発展のためにご尽力されていることに敬意を表します。
さて、茨城県教育委員会は、中学校卒業生徒数の減少を理由に、2003年2月に「県立高等学校再編整備の前期実施計画」を発表、2006年3月には「後期実施計画」を発表し、統廃合が実施に移されています。計画どおりに実施されると、111校あった県立高校は、2010年には99校へと削減されることになります。
茨城県教育委員会は「前期実施計画」実施の検証も行わず、「後期実施計画」が進行中の、2007年8月、「茨城県高等学校審議会」を再開し、8ケ月の極めて短い審議により、2008年3月には「2020年までに96学級の削減が必要」との答申を出し、「後期実施計画」からさらに、8校の統廃合を行おうとしています。さらに、今回の答申の「新たに策定する再編整備計画」においては、「ガイドライン」を設け、小規模校の統廃合を進めていくとしています。「単独の募集停止」も謳われています。県の言う適正規模(1学年4〜8学級)からはずれた 1学年3学級以下の小規模校は、今後も統廃合のおそれがあります。
ところで、生徒急減期は2006(平成18)年度で一段落し、その後はほぼ横ばい状態になります。「基本計画」では、2005年度までの学級削減を求めているので、「後期計画」での「統廃合」は必要ありません。しかし、後期計画により2007年度以降の統廃合が示されてしまいました。郡部の数少ない高校がなくなることにより、その地域の中学生は、遠距離通学を余儀なくされることになります。しかも、学校がなくなることは地域の文化や経済にとっても重大な影響を与えます。
2002年4月からは、茨城県も含め、小学校低学年を中心にした少人数学級が実現し、東京都を除くすべての 道府県に広がっています。少人数学級になって「授業がよくわかるようになった」「子どもたちが落ち着いてきた」などの報告がなされています。中央教育審議会でも、少人数学級を本格的に審議されるようになりました。また、埼玉の高校では県独自の施策として少人数学級展開が行われ、青森や福島では過疎地域の高校を守るために、30人、35人学級が始まっています。
「格差社会」が経済、教育などあらゆる面で国民生活を苦しめ、「格差」の是正を求める国民の声は大きく広がっています。いま、教育行政に求められているのは、住民の声を聞き、一人ひとりの子どもたちが大切にされ、ゆきとどいた教育が保障される学校教育を実現することです。茨城県がすすめようとしている高校統廃合は全国的に進められている少人数学級実現のとりくみに逆行するものであることは明らかです。
「県立高校の統廃合計画を見直し、一方的な統廃合はやめ、1学級の定員を30人以下とすること」、「受験競争や遠距離通学を緩和するために、高校間格差を是正すること」が緊急の課題となっています。
つきましては貴議会においてこれらの課題について話し合っていただき、意見書を茨城県知事と、茨城県教育委員会委員長に提出してくださるよう請願いたします。なお、参考のために意見書案文を添付しました。