平成23年 6月定例会
平成23年6月9日 (一般質問)
馬場治見
・企業の社会的責任(CSR)について
・食品ロスへの取り組みとフードバンクについて
1 企業の社会的責任(CSR)について
企業の社会的責任とは、企業は利潤を追及するだけではなく、それに係る従業員や消費者、地域社会や大きくは、国際社会等、企業活動に関係を持つすべての人々に対して責任を果たさなければなりません。近年は、大企業又、経済団体が主導するCSRとは異なって、地域に根を張る、中小企業や大企業の支社、支店が地域密着経営で展開する社会貢献活動が活発化しておりそれに伴って、地元企業と地方自治体、市民が一体となって、進める「地方版CSR」と取り組みが注目されています。その事例を何点か挙げますと、たとえば横浜市は、公的機関のCSR認定としては全国初の取り組みとして地域性を加味した一定基準を満たした企業を、「横浜型地域貢献事業」として認定し、その企業は認定証やマークの使用やCSR応援サイトでの情報発信、中小企業向けの融資制度「企業価値向上資金」を利用し低金利での融資を受ける事が出来るとしています。
また、宇都宮まちづくり貢献企業認証制度を地域型の人づくり、まちづくり、環境などのCSR活動に取り組む企業を認定し、平成21年度は32企業が認定されています。
また、北海道釧路市は、自治体で初の自治体版「釧路市役所の社会環境活動(CSR)の推進指針」を策定、また釧路市職員CSR通信も平成21年に創刊しており、市職員が果たすべき社会的責任を再認識し、市民に信頼される、市役所を目的とし、公的活動ばかりでなく、私的活動に於いても信頼される職員の活動を促しています。つまり釧路市版CSRは、
(1)コンプライアンス(法令遵守)の徹底
(2)公務員としての倫理の保持
(3)公務員としての資質の向上
(4)環境への配慮
(5)仕事と家庭の両立の向上
(6)地域の一員として果たすべき役割の実践
(7)社会貢献に対する意識の醸成
を上げています。
また我孫子市も、市役所としての社会的責任の再認識を目指しています。このような事例はまだ外にもありますが。
(1)つくば市は、このような釧路市の自治体版CSRに対する市また職員のCSRについて、どのように思うか見解をお伺いします。
(2)活力ある地域創出を目指し、顏の見える協働関係を活かした中小企業による地元密着型経営地方版CSRに向けた行政の取り組みについて市の考えをお伺いします。
2 食品ロスへの取り組みとフードバンクについて
平成20年度に於ける日本の食糧自給率は、カロリーベースは、40%と多くの食糧を輸入に頼っている現状であるが、日本が今後共安定的な食生活を送る為には食糧自給率を上げ食糧供給を安定化させることが大事であるが、併せて食品食材を無駄なく大切に使っていくことが重要である。しかし、日本の食品廃棄物排出量は年間約1,900万トン(平成17年度)もあり、この中には 本来食べられるにもかかわらず捨てられているもの、いわゆる「食品ロス」が約500〜900万トン含まれていると推計されています。これらの点を踏まえ農林水産省は総合食料局に「食品ロスの削減に向けた検討会」を設置し、食品の製造、流通、消費の段階ごとに、食品廃棄の実態と要因を分析し、食品ロスの削減に向けて国民一体となって取り組むべき方向について報告書、「食品ロスの現状とその削減に向けた対応方向について」を発表し、またわかりやすい資料として、平成21年3月に「食品ロスの削減にむけて」をまとめている。また政府広報「もったいない、食品ロスを減らそう」を発表しましたが
(1)つくば市はこの現状をどのように考えているのかをお伺いします。
(2)市の生ごみの現状は、どのようになっているのか過去3年位の現状をお伺いします。
(3)食品ロスについて今後の取り組み目標とその方向性をお伺いします。
食品ロスを考える中で、「フードバンク」があります。「フードバンク」とは、包装の破損や印字ミス、賞味期限に近付いた等といった理由から、品質には問題がないにもかかわらず破棄されてしまう食品、食材のことを言います。フードバンクはアメリカではすでに40年の歴史があり、年間200万トンの食品が有効活用されていますが、日本では2000年以降フードバンクが設立され始めたところでありますが、まだ全国では11カ所であり大きなひろがりを見せてはいませんが、こうしたフードバンクの活動をあとおしする意味から、農水省も平成21年にフードバンク活動の実態調査を実施し、翌22年度に報告書を発表しました。そこでは、日本における活動の実態を把握するとともに、今後の活動の活性化に資するようフードバンクの運営上の課題を整理しています。
具体的には、活動に提供された食品が横流しされない事の担保や、提供後の食品が適正に管理される体制の確保等、食品関連企業が活動に参加しやすくなる環境の整備などが課題として挙げられます。
今年3月3日には農水省HPの中でフードバンクに関する情報を開始しました。
フードバンクは、まず支援者の各企業、個人(一般家庭農家)食品、食材また現金の寄付をフードバンクが預かり、それを、受益者の各福祉施設団体へ無償にて配布するというシステムです。立ち上げに対しては農水省の後押しとして、フードバンク立ち上げを考える団体に対して、検討会の開催、専門家からの指導助言、勉強会開催、先進地への視察等の費用について全額国が負担します。
(1)このフードバンク制度に対して、市はどのように考えているかをお伺いします。
(2)先進地の取り組みに対して内容の調査研究が必要と思うが市の考えはどうかをお伺いします。
(3)フードバンクに対してのアンケート調査をつくば市として、各企業又個人の支援者の立場と、各福祉施設団体に対して、つまり受給者に対して行う必要があると思うが市の考えをお伺いします。