令和6年第2回定例会12月定例会議
令和6年12月17日 (一般質問)
酒井泉 (新・つくば民主主義の会)
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・つくば市の人件費と管理職比率に関する事実確認
・市長退職金の辞退について
・政治とカネ、政治資金の透明化について
・タウンミーティングは誰のためなのですか
・市報とかわら版について
・主要な都市計画道路の整備を8年間も放置、交通渋滞、通学路の危険
・外部コンサルに業務を依存、市民との対話をせず、市民の衆知を集めないつくば市役所の問題
・研究学園都市の文教地区の中心(高エネ研南用地)を外資系企業に売却して倉庫用地にしてしまうことは、未だに信じられない、筑波研究学園都市の未来喪失の悪夢です。
1 つくば市の人件費と管理職比率に関する事実確認
論点1.人口増加率を大きく上回って人件費が急増している
@平成29年〜令和6年の7年間で、人口の増加率は12.8%であるのに対して、人件費の増加率が30.8%です。人口の増加率を超えて、人件費が急増しています。
Aつくば市の反論は、令和2年から人件費の算定方式が変わった。臨時職員の賃金が、それまでは物品費扱いだったのが、人件費(会計年度職員)として算定する様になったので、人件費の数値データが増加して、見かけ上の人件費が増加した。平成28年〜令和4年までの人件費の増加率は20.8%である。(注;この数値も算定方式の違いを含んでいる)
B平成28年から令和6年までの人件費の増加率については、平成28年〜平成29年の臨時職員の人件費のデータと、令和5年〜令和6年の総人件費のデータが無いと正確な比較はできません。
C令和1年から令和2年について、見かけ上の人件費の急増は算定方式の違いによるものであることはその通りです。
Dその他の年度についての、人口増加率と人件費の増加率の比較については、つくば市の責任でデータを整理して市民に示してください。
論点2.それでも多い人件費と職員数
@令和6年の当初予算で、人件費と職員数を比較すると、つくば市民の年間の人件費負担額は8万2,743円(市民1人当たり)です。これに対して、守谷市は6万3,140円、水戸市は7万1,827円です。
Aつくば市の市民千人当たりの職員数は7.46人 です。これに対して、水戸市=6.71人、土浦市=6.48人、守谷市=5.27人です。
B人件費が五十嵐市長の代から急増したのか否かは定かではありませんが、他の市に比べて職員数と人件費が著しく高いのは事実です。これらについて算定の根拠を精査して、市民に情報を開示し、説明をする義務があります。
論点3.つくば市の管理職数は過剰です
@係長級以上が5割超え(53%)です。その分、現場の職員が不足しています。不足している現場の職員を非正規雇用の職員で補っているという構図が見えて来ます。
Aこの様なタテ割りの身分制の下では、迅速で柔軟な意思決定ができません。
Bつくば市の反論は、
(1)つくば市の規則では管理職は課長補佐(5級)以上で、その比率は26%
(2) 土浦市の管理職は係長級(4級)以上で、その比率は36.6%
Cつくば市の反論は、管理職の定義の違いを理由に、つくば市は5級以上の比率を26%と言い、土浦市は4級以上の比率が36.6%と言っています。
D一般行政職の級別の給料表は、つくば市も土浦市も同じです。管理職の定義の違いを理由に、違った等級の数字を比較して、土浦市の方が管理職の比率が高い様な言い分は、読み手の誤解を招くおそれがあり、反論にはなっていません。
Eつくば市の場合、情報の共有の範囲は係ごとに分かれているので、意思決定の最小単位は「係」になります。経営学の定義では、管理職の役目は「意思決定」です。係は意思決定の最小単位ですから、係長は意思決定上は管理職であると定義されます。
Fつくば市の課長補佐(5級)以上の比率は27.5%(令和4年度総務省データ)であるのに対して、土浦市の課長補佐(5級)以上の比率は17.5%(令和4年度総務省データ)です。課長補佐以上の比率は、つくば市は土浦市の1.6倍です。
Gつくば市の係長級(4級)以上の比率は53%(令和4年度総務省データ)であるのに対して、土浦市の係長級(4級)以上の比率は32%(令和4年度総務省データ)です。係長級以上の比率も、つくば市は土浦市の1.6倍です。
以上の論点1〜論点3について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、今後、高過ぎる人件費と管理職比率の問題について、改善に取り組むのであれば答弁は不要です。
2 市長退職金の辞退について
論点1.市民に還元されない退職金辞退は、市民にとっては無意味なパフォーマンスです。
@辞退したと言っている2千万円の退職金は、市民(市の財政)に還元されていません。
A退職金を22円にしても、2,000万円−22円の退職金は、人件費の平準化を担う「市町村事務組合」を通して他の市町村に流失しています。
Bインターネット投票の結果で市長の退職金を減額しても、市民に還元されないのは同じです。
論点2.2020年9月議会で可決した1円条例は遡って廃案にし、2,000万円−22円の退職金を受け取るべきです。
@1円条例を遡って廃案にした場合、退職金を受け取れる時効は5年間ですから、来年の9月までは受け取ることが可能です。
A市民として正当な退職金を受け取る方が、つくば市の経済の活性化に寄与できます。
Bその分を市民に還元したいなら、いったん所定の退職金を受け取って、黙って退職後に寄付するしかありません。(かつて阿見町の町長はそうしました。)
論点3.そもそも現市長の公約は、「市長特権の退職金を廃止する」という制度改革であったはずです。
@新聞報道された、退職金を辞退した他の自治体の長の場合は、全て事務組合には加盟しておらず、辞退した退職金は全て市の財政に還元されています。
A4年ごとに支払われる特別職の退職金を問題視するなら、事務組合を退会して、つくば市の条例で退職金の制度を改革する必要があります。
以上の論点1〜論点3について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、今後「市長特権の退職金を廃止する」という、特別職の退職金に関する制度改革を行なうのであれば答弁は不要です。
3 政治とカネ、政治資金の透明化について
論点1.選挙公報の各戸配布と紙面拡大のお願いに関する議会請願
請願人は酒井泉で、飯岡宏之議員、橋本佳子議員、鈴木富士雄議員の諸先輩議員の皆様に、紹介議員として超党派でご協力をいただき、全会一致で採択となりました。
論点2.しかし、今回の選挙では実施されませんでした。
今回の10月の選挙から、各候補者の主張がより詳しく、より確実に市民に届けられれば、カネのかからない選挙の第一歩となったはずです。
論点3.今後、選挙公報の各戸配布と紙面拡大を実施させるにはどうすればよいか
以上の論点1〜論点3について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、今後、選挙公報の各戸配布と紙面拡大を実施に取り組んでいただけるのであれば答弁は不要です。
4 タウンミーティングは誰のためなのですか
論点1.タウンミーティングでは問題の解決はできません
@水戸黄門のテレビドラマの様に、権力者が直接庶民の訴えを聞いて、悪代官を懲らしめて一件落着というわけには行きません。民主主義の社会では、当事者間の議論によって問題を解決するのがルールだからです。
Aタウンミーティングは、年に1度だけ、1人1問1答、1項目だけですから、タウンミーティングで市長にお目にかかることはできても、市長と議論して問題を解決することは不可能です。
論点2.問題解決には一人一人の職員が市民と議論することが必要です
@民主主義社会では、互いに情報を共有し、対等な議論を行なうことによって問題を解決します。
A市政において様々な問題を解決していくには、市職員一人一人が市民と情報を共有し対等な議論を行うようにすることが必要です。
論点3.市職員と市民の間のコミュニケーションが十分とは言えない現状
@五十嵐市長は、「議会がOKすればそれが民主主義」と言って市民と議論しないことがありました。
A「市民の意見は聞くが、市民との協議はしない」と公言する部長がいます。
B「市長に報告した内容は、市の内部情報だから市民には言えない」、「市役所内で方針が決まるまでは市民には何も言えない」と公言する職員もいます。市の顧問弁護士も、これを否定しません。
Cこれではつくば市役所は、市民のために働く自治体ではなく、市民の税金を使って「市民を統治・管理する団体だ」と言われても仕方ありません。
論点4.市職員一人一人が市民と情報を共有し対等な議論を行なうことの重要性について、市役所の意識改革が必要です。
@タウンミーティングの「会える市長」のキャッチフレーズによって、市民とのコミュニケーションを大切にする政治姿勢を強調するのであれば、「市職員一人一人が市民と情報を共有し対等な議論を行なう」ように、市役所全体の意識改革をおこなってください。
Aそうでないと、タウンミーティングは、「会える市長」のパフォーマンス(目立つための行動)に過ぎなくなります。
以上の論点1〜論点4について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、今後、市職員一人一人が市民と情報を共有し対等な議論を行なうことの重要性について、市役所の意識改革を進めていただけるのでれば答弁は不要です。
5 市報とかわら版について
論点1.市報とかわら版は情報メディア
かわら版は江戸時代の情報メディアでした。「読み」・「売り」で、読みたい人が買って読んだのです。しかし、市報とかわら版は、市民全員がカネを出して買って読んでいます。買わずに読まないという選択肢はありません。情報メディアとしての責任の重さは、市販の情報紙の比ではありません。
論点2.市報とかわら版は、公的な情報メディアとしての原則を守っていません
学術、報道、行政など、市民のための情報を扱う分野では、情報の隠蔽、ねつ造、改ざんは禁忌です。これに加えて、都合の良い情報だけを取りあげて、都合の悪い情報を報じないことも禁忌です。恣意的な情報選びを行なうと、まるで違った結論を導き出すことも可能だからです。そして、これらの情報操作を一度でも行うと、永久追放されるのが「掟(おきて)」です。その理由は、情報操作による誤った結論(意思決定)の社会的な損失が大きすぎるからです。
かわら版30号を例に取ると、情報選びを否定できません。つくば市の言い分だけを報じて、県の言い分や議会での指摘(議論)を載せていないからです。(情報メディアとして失格。本来ならば永久追放される)
かわら版33号では、つくば市はこんなによくやっているという宣伝のみで、どこまでが国・県の補助事業で、どれがつくば市独自の事業なのかについては、何も書かれていません。これでは市民は今後の改善に向けた議論ができません。
福祉であれ教育であれ、(誰を助けて誰を助けないという)厳然とした権力の行使です。権力の行使に当たっては、市民の疑問に答え、理由の説明をすることが求められます。
これらの事例から、かわら版の情報メディアとしての基本姿勢には疑問を持たざるを得ません。
支持する人と指示しない人の対立と反目が、福祉や教育行政の現場に持ち込まれることは好ましいことではないと思います。
論点3.広報戦略の対象はつくば市民か?
市民を対象にした「広報戦略」であるとすれば、第三者による審査機関を持たない市営メディアは、同じく第三者による審査機関を持たない国営メディア、例えばナチスの宣伝省などとどこが違うのでしょうか?
また、議会での議論を経て決定する前に、執行部の案を自らに都合のよい情報だけを使って「広報(宣伝)」することは、合理的な意思決定の妨げとなります。
今後の市の広報は、議会の議論を経て決定した施策を衆知徹底させることに徹してください。
ただし、問題を提起し、議論を喚起することを目的とした事前報道については、何の問題もありません。
論点4.情報発信の双方向性が重要です
市報とかわら版は、入札によって決定した業者によって、全戸に配布されています。
ところが、同じ配布ルートを使って商業チラシが配布されているのに、議員や市民の意見広告を配布することはできません。これは、つくば市とポスティング業者の契約内容に原因があるようです。無論、契約書にその様なことが記載されてはいないと思いますが、業者側が出している商品設定による規制であるとすれば、やはり契約内容に問題があることになります。つくば市にその様な意図が無いと言うのであれば、その様な商品設定(政治的な意見広告を禁じる)を設けないことを条件に入札を行なってください。
その際に、発信者(団体)の明示、印刷データの開示、費用の自己負担を条件にすることは、言うまでもありません。
議員や市民の意見広告も可能とする条件の下で配布される市報は、議員や市民の別な角度からの(批判を含む)見解や意見広告によって、情報発信の「双方向性」が確保されれば、かえって市報の信用度もより向上します。
論点5.第三者による審査機関の設置が必要
情報の公平性と情報メディアとしての中立性を確保するため、市議会に市報とかわら版の内容に関する審査機関を設置することが必要です。審査機関があれば、担当職員も過度の忖度から解放されて、情報メディアとしての信念と良心に基づいた報道が可能になります。
逆に、第三者による審査機関が無いと、ナチスの宣伝省の様な、独裁国の国営メディアと変わらなくなり、誰からも信用されなくなります。
以上の論点1〜論点5について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、今後第三者による審査機関の設置に取り組んでくれるのであれば、答弁は不要です。
6 主要な都市計画道路の整備を8年間も放置、交通渋滞、通学路の危険
論点1.土浦学園線と共に主要な東西軸の幹線道路である学園中央線・北大通り線が機能しない状態が続いています。
@つくば市中心の幹線道路
東大通り;荒川沖方面
西大通り;ひたち野うしく方面
牛久学園線;牛久・竜ヶ崎方面
土浦学園線;東方向は学園中心から土浦・阿見方面へ、西方向は水海道方面
学園中央・北大通り線;東方向は、水戸・石岡方面へ、西方向は岩井・境方面
A妻木金田線は、学園中央・北大通り線の一部
B妻木金田線の東側(650メートル)と国道125号線の土浦北インターまでの8.5キロメートルの区間は、平成29年度に開通しました。(県は、八郷トンネル、桜大橋の開通に同期して工事を優先して進めました。)
Cしかし、妻木金田線西側の870メートルは、他の区間が全線開通した後の7年間も放置され、令和6年になってやっと現地測量に着手した状態であり、担当課は、開通までにさらに10年以上かかると言っています。
Dこのままでは、土浦学園線と共に主要な東西軸の幹線道路である学園中央線・北大通り線が機能しない状態が、さらに10年以上続くことになります。
論点2.これまでの遅れ(放置)の理由(原因)に対する疑問
@本当に地元の反対が理由(原因)だったとしたら、この間の地元交渉に問題は無かったのでしょうか?
A都市計画道路の整備の優先順位に問題は無かったのでしょうか?
B市役所トップの問題意識と意思決定に問題は無かったのでしょうか?
論点3.早期開通(5年を目途)による解決
@妻木金田線西側(870メートル)は、平成11年の都市計画決定から20年以上放置されています。早期開通以外に解決策はありません。
A優先順位による資源の重点配分をお願いいたします。
B迅速で十分な移転補償が必要です。
⑴具体的な今後のスケジュール。
⑵具体的な補償の内容。
C手厚い環境対策を行なってください。
既存の道路との立体交差 防音壁 緑地帯
D近隣地域市民への進捗状況と整備時期(開通目標)の説明をしてください。
※市役所のトップが意思決定をすれば、担当職員は5年を目途に開通させる力量はあると思います。
以上の論点1〜論点3について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、今後早期開通による問題解決に取り組んでいただけるのであれば、答弁は不要です。
7 外部コンサルに業務を依存、市民との対話をせず、市民の衆知を集めないつくば市役所の問題
論点1.実態の把握
各部署ごとに業務の外部委託の実態を調査し、外部コンサルへの業務委託については、人件費として計上することが必要です。
論点2.市民の衆知を集めるには
市民と市役所が情報を共有し、対等な議論を行なうことが必要です。そのためには、市役所の職員間の情報共有の範囲を拡げ、職員同士が対等な議論を行なえるようにすることが必要です。さらにそのためには、つくば市役所内の「タテ割りの身分制」を改革することが必要です。
論点3.情報の公開
外部コンサルに依頼した成果物(文書等)は全て市民に公開し、市役所のロビーで誰でも閲覧できるようにしてください。そうすれば、無駄な外注は確実に減るはずです。
以上の論点1〜論点3について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、今後外部コンサルに依頼した成果物(文書等)を全て市民に公開していただけるのであれば、答弁は不要です。
8 研究学園都市の文教地区の中心(高エネ研南用地)を外資系企業に売却して倉庫用地にしてしまうことは、未だに信じられない、筑波研究学園都市の未来喪失の悪夢です。
論点0.持続可能な「都市経営」には、空き地(未利用地)が必要
@都市には新陳代謝が必要です。都市の活力を維持していくには、時代の変化に応じて、要らなくなった施設を壊し、新たに必要な施設を造る必要があります。
Aしかし、現実には様々な既得権があるので、古いものを壊して新しいものを造るのは容易ではありません。空き地(未利用地)があれば、新しく必要な施設を造ってから、要らなくなった古い施設を壊すことが出来ます。この方がはるかに容易です。
Bつまり、活力のある都市を維持するには、空き地に新しく必要な施設を造り、古くなった不要な施設を壊して、新たな空き地(未利用地)を確保して、未来の新陳代謝に備えるのが、持続可能な都市経営の在りかたです。
Cしたがって、つくば市に空き地(未利用地)は必要です。研究学園都市にも空き地は必要です。R8の活性化拠点地区にも空き地は必要です。
D未利用地は解消すべき不要な土地ではなく、将来の発展に必要な「未来用地」なのです。「高エネ研南用地」は、つくば市と研究学園都市の未来に必要な「未来用地」であり「解消すべき未利用地」ではありません。
高エネ研南用地の倉庫用地への一括売却は、「SDGSのまちづくり」に反しています。
論点1.市長は一期目の公約を守ったか?
@公約は、「UR都市機構への返還交渉」でした。五十嵐市長は、「契約の解消」、「土地の買取り」を要望したと言っていますが、要望は交渉ではありません。
A公約したUR都市機構との返還交渉を本当に行ったのですか?「交渉はやった」と言うなら、交渉の中身を明らかにしてください。
論点2.その後の不可解な経緯
@総合運動公園の計画を白紙撤回させた市民運動の後、五十嵐市長の1期目の選挙時に4千万円を超える献金があり、その8割以上が物流業界と不動産業界であったことが明らかになっています。(県報に記載あり)
Aその後の1期目の半ばに、40億円で損切売却を試みたが、議会の同意を得られずに断念しています。
B2期目の選挙期間中は売却の方針を封印していましたが、当選後の第一声は「高エネ研南側未利用地の売却」でした。
論点3.一括売却は、議会無視、市民無視
@市長が要請して作った市議会の報告書には、一括売却の提案は示されていません。パブリックコメントにおいても、一括売却の提案はごく少数でした。
Aところが、執行部は、高エネ研南側用地は土地開発公社のもので市のものではないから、市議会での議論をしなくても違法ではないという、法律上の理屈を使って、市議会での議論を経ずに一括売却を強行しました。
Bしかし、土地開発公社の経済活動はつくば市の債務保証無しには成立ません。土地開発公社の資金提供者は市民なのです。資金提供者の疑問に答え、理由の説明をするのは、資本主義社会の基本ルールです。高エネ研南用地は土地開発公社のものだから議会での議論は不要と言うのは、市民の感覚からは到底容認できない理屈であり、市民を無視した暴挙です。
C議会で議論しても違法ではありません。政治とは、合法的な複数の選択肢を比較検討して実行することです。今からでも議会での議論を行なうことは政治の責務です。
論点4.不透明な売却契約のプロセス
@市長は、当該用地は土地開発公社ものであって市のものではないという理屈と、企業秘密の尊重を理由に、グッドマンジャパンとの交渉内容も契約内容も市民には情報を公開していません。
A市が行った“公正な”プロポーザル審査とは、応募企業の提案を比較検討して、「売却の交渉相手」を決める方式です。応募企業間の競争入札とは異なり、選定した企業とつくば市の土地開発公社の契約は「随意契約」です。
B「随意契約」は、競争入札と違って、1社との随意契約は、契約内容について競争原理が働かないので、「随意契約」の内容が公開されなければ、いくらでも便宜をはかることが出来ます。利権、談合、利益供与など、ありとあらゆる悪事の温床になる恐れがあります。こんなに酷い契約のやり方は歴代市長の時代にも無かった(と思います)。選定した企業との契約の交渉の内容について、情報を公開しなければ、つくば市政の歴史的な汚点として、その時の市長名とともに記憶されるでしょう。
C五十嵐市長は、企業秘密の保護を理由に、解約内容も交渉内容も公開していません。五十嵐市長が、「便宜を図る余地は全くない」と言うなら、グッドマンジャパンとの交渉の内容と契約の内容を全て公開すべきです。
論点5.グッドマンジャパンとの売却契約は未だ成立していない。
@プロポーザル審査の結果、優等となった業者との間で契約をする必要はありません。契約は随意契約ですから、契約内容が確定していないのに、売買契約書に調印し名義変更をする必要はなかったはずです。
Aプロポーザル審査の時に、グッドマンジャパンは防災拠点の仕様書は出していません。出したものはポンチ絵に過ぎません。つくば市の土地開発公社はグッドマンジャパンに土地の名義変更をしましたが、防災拠点の仕様内容(契約の条件)が決まっていないのに名義変更をしたのは、資金提供者であるつくば市民への背信行為です。
Bつくば市は、防災備蓄倉庫の賃料を4000万円/年とする審査の条件だったが、グッドマンジャパンは、賃借料は無償という提案をしました。しかし、つくば市は、賃借料4000万円に相当する施設を作ってもらうことを前提としていたはずです。しかし、グッドマンジャパンはどのような施設を造るかどうかは不明ですから、売却価格も不明ということになり、売却契約は成立していません。
Cさらに、防災施設は市民が使用するものであるにもかかわらず、つくば市がどの様な目的で、どの様な防災施設を造るかも明らかにされてはいません。
Dこの様な条件の下では、契約は不可能であり、資金提供者のつくば市民が到底納得できるものではありません。したがって、グッドマンジャパンとの随意契約は白紙に戻して、改めて議会で議論することが必要です。
以上の論点0〜論点5について、五十嵐市長の見解をお聞かせください。
ただし、高エネ研南用地の一括売却について、市議会で改めて議論するのであれば答弁は不要です。