会派代表質問・一般質問一覧要旨
- 会議名
- 令和7年定例会6月定例会議
- 質問日
- 令和7年6月16日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 酒井泉 (新・つくば民主主義の会)
要旨
1 高エネ研南用地の一括売却は、違約金を払っても解約すべきです。
(1) つくば市は、議会の議決を経ないで(市民の了解を得ないで)、一括売却を進めて来ました。
ア つくば市は、民主主義の手続を踏んでいません。
議会で議決したのは、総合運動公園用地以外の用途で市以外の第三者へ譲渡することについてのみです。
イ 議会では、一括売却も、そのやり方も、議決していません。
ウ 議会の報告書(提案書)は、多様な土地利用を提案しており、一括売却は容認していません。
エ 市は、「高エネ研南用地は土地開発公社のものであって市(市民)のものではない」と言う理屈で、議会の議決は不要と言って議決を拒否しました。(全員協議会)
オ 「土地開発公社というのは法人格を有しているので、自治体とは別だ」というのが、前回の答弁でした。
カ しかし、何度も言いますが、市は土地購入の際、「市民のために」と言って、市(市民)のリスク保証(債務保証)で銀行から融資を受けて土地を買っています。
そして、市(市民)のお金で債務を返済してから、もうその土地は市(市民)のものではなく公社のものだと言って、市民の同意(つまり議会の議決)無しに(市長の一存で)、民間事業者に全部一括で転売しました。これは、合法であったとしても、市政の「道理」を無視した「横暴」なやり方です。
キ これについて、市長に、「合法なら何をやってもよいのか?」、「議会で多数なら何でもできるのか?」とお聞きしました。
ク これに対して、「そのように思ったことはない、様々な議論を積み上げて、民主主義のプロセスを経ている」、とおっしゃっていました。
ケ しかし、議会での議論を拒否しているのですから、「様々な議論」を積み上げておらず、「民主主義のプロセス」も経ていません。
コ 現在、市長は、「合法なら何をやってもよい」、「議会で多数なら何でもできる」というやり方(行政手法)を、市民の前にさらけ出しているのです。
質問1. 今後は、高エネ研南用地の売却契約内容について、議会に説明をすべきと思いますが、市の見解を示してください。
(2) 高エネ研南用地の一括売却は、「随意契約」なのに、プロポーザル審査の内容も、グッドマンジャパンとの契約内容も、大部分が墨塗りで非公開です。つくば市は、非公開の理由を明らかにしていません。
ア つくば市は、墨塗の理由は「企業の利益を侵害しないため」と回答していますが、「公開によってどの様な企業利益が侵害されるのか」については明らかにしていません。
イ 土地利用の内容や、つくば市が使用する防災拠点についての契約内容(仕様)は、今後工事が進めばいずれ明らかになりますから、企業秘密は非公開の理由にはなりません。
ウ 企業秘密以外の非公開理由があるとすれば、「談合」か「賄賂」、「入札情報の漏洩」といった不正行為以外にありません。
質問2.グッドマンジャパンとの契約内容を公開してください。公開しないなら、その理由を述べてください。
(3) プロポーザル審査という衣をかぶった随意契約の非公開がもたらす利権政治の闇(やみ)
これまでつくば市議会は、利権政治を排するために、長年の努力で入札制度の改善を行ってきました。しかし、プロポーザル審査という衣をかぶった随意契約の非公開がまかり通れば、入札制度改革以前の、「非公開の随意契約」によって利権や談合がまかり通った時代に逆戻りです。こんなことは、議会も市民も絶対に受け入れることはできないと思います。
質問3.プロポーザル審査の内容を全て公開してください。もし公開しないということなら、それでもなおプロポーザル審査の内容が適正であったということを、どのように説明するのですか。
(4) プロポーザル審査の条件と違う契約内容なら、契約は無効です。
ア プロポーザル審査時に、つくば市が出した契約の条件
@ 土地購入価格と土地利用計画の提示
A 防災多目的利活用広場 40,000 u以上
B 防災備蓄倉庫 2,400u〜2,600uの備蓄面積
C 災害用水源等
D つくば市は、年間4,000万円までの使用料を支払う。
イ プロポーザル審査時に、各応募企業がつくば市に出した条件
@ プロポーザル審査の内容が墨塗で非公開のため、全てが不明です。
ウ グッドマンジャパンがつくば市に提示した条件
@ 土地購入価格は110億円 データセンター、物流倉庫
A 防災多目的利活用広場 40,000 u以上
B 防災備蓄倉庫 2,400u〜2,600uの備蓄面積
C 災害用水源等
D 年間の使用料は無償
エ 防災拠点の整備内容については、現在でも不明なままです。
@ グッドマンジャパンへの売却契約書の中身が不明です(現在、大部分が墨塗で非公開)
A 年間4,000万円の施設使用料に相当する防災拠点の中身(仕様)も不明です。
B たった20年間の契約期間終了後は、防災拠点施設の機能や存続はどうなるのかも不明です。
★年間4,000万円までの使用料に見合う防災拠点を整備し、これを市に無償で提供するのが、プロポーザル審査時の条件です。これを満たさない契約は無効です。
質問4-1.年間4,000万円の施設使用料に相当する防災拠点の仕様を示してください。
質問4-2.20年間の契約期間終了後は、防災拠点施設の機能や存続はどうなるのか明らかにしてください。
(5) 今後、つくば市がプロポーザル審査の内容を公開せず、グッドマンジャパンとの契約書も公開しないのであれば、契約解消の補償金を支払ってでも、グッドマンジャパンとの契約は解消すべきです。
ア 黒田議長を通して、執行部に全員協議会による防災公園の説明を求めましたが、「現在のところ執行部が説明することは何もない」、「夏か秋頃説明する」との回答でした。
イ 契約してから、1年半以上も経っているのに、一番重要な「防災拠点の整備内容」が不明である契約は異常です。
ウ 契約の細部の条件について交渉中であるとしたら、既に契約書を交わし、一部の工事の着手を許可してしまっているので、交渉が遅れれば遅れるほどつくば市は不利になります。(市が支払う違約金額が増大するからです。)
エ つくば市政の現状に対するつくば市民の大きな不満が、ここでも顔を出しています。
@ 施策が決まる前には市民に情報を出さず、
A 決まってから情報を出して了解を求める。
B 共創は言葉だけで、「統治と管理」が市政の実態です。
カ つくば市は、今すぐにでも防災拠点の整備内容と将来の利用条件を市民に明らかにする必要があります。これは急を要します。
質問5.契約の細部の条件について交渉中であるとしたら、決定前に、至急議会の全員協議会で進捗状況について説明をしてください。
(6) 都市計画の権限は地方自治体にあります。今後つくば市が主体的に長期にわたる都市計画を進めて行くのには、要(かなめ)となる土地はつくば市が所有していることが必要です。
ア 都市計画は、地方自治体の「長期計画」です。
イ 一般の企業や個人は、保有している土地に1.4%の固定資産税と0.15%の都市計画税を支払わなければなりません。このため、企業や個人には、長期的な土地利用計画や都市経営は元々無理なのです。しかし、地方自治体は、市有地に固定資産税を支払う必要はなく、民間に貸して地代を取ることも可能です。つまり、長期的な都市計画に基づく都市経営は、地方自治体が担わなければならないのです。
ウ 地方自治体が長期的な都市経営を担って行くには、要(かなめ)となる土地は地方自治体が所有していることが必要です。
エ 現在、「市有地を売却して一時金を手にし、事業者から固定資産税を取った方が得だ」、「土地は必要になったらいつでも買える」などという、極めて近視眼的で無責任な発想から、研究学園都市の中心部の大面積の高エネ研南用地を一括売却して、その権利を放棄しようとしています。
オ しかし、これは、高い確率でつくば市の都市計画(未来)に禍(わざわい)をもたらし、市民に損害を与えます。
カ 違約金(これまでの工事の補償金)を支払ってでも解約し、市民の資産を守ることがつくば市民の長期的な利益になります。
キ 現在つくば市が進めようとしている道の駅の構想についても、将来の都市計画の一環として、用地はつくば市が取得する方向で検討すべきでしょう。その方が、事業者が資本を事業本体に注ぐことができて、事業が成功する可能性が高くなります。
質問6.今後のつくば市の都市計画の将来と、都市経営に必要な用地の所有と保存について、市の方針(考え)をお聞かせください。
2 市長の海外出張問題と、公益通報者保護法違反の「通知文」問題
(1) 市長の海外出張の問題点
ア 事前の出張命令書が不十分です。
招へい内容、訪問の企画書、予想される効果等の記述がありません。
イ 事後の出張報告書がありません。
発表に対する反応、討論内容、得られた知見、明らかになった問題点等の記述が必要です。プログでの情報発信は、正式な報告ではありません。
ウ 対外交渉でなければ、随行員は不要です。なぜ2〜6名もの随行員が必要なのでしょうか?
エ 規定を超えて旅費を支出していることも問題です。
質問1-1.市長の海外出張の随行員の必要性と理由について説明してください。
質問1-2.今後の主張命令書、出張報告書の在り方について、市の方針をお示しください。
(2) 職員からの公益通報(外部通報)を、酒井泉がXで公開したことに対して、つくば市は、職員全員に「通知文」を送付しました。
通知文の内容は以下のとおりです。
ア 市職員は、上長からの承諾なく、正当な理由なく、行政文書(行政情報)を外部に提供してはならない。
イ (提供した行政文書が)不確実な情報と共にSNSに拡散された場合、(市民への行政文書の提供は)地方公務員法の信用失墜行為の禁止に抵触する可能性がある。
ウ (市職員が)安易に市民へ行政文書を提供しない様に、(幹部職員は)職員への指導を徹底し、厳正な職務規律の保持に努めよ。
エ さらにつくば市は、「通知文は、職員への注意喚起である」、「注意喚起によって職員が処罰される事態を避けたい」、「上長からの承諾なく、正当な理由なく、行政文書(行政情報)を外部に提供した場合は処罰の対象となる」などとしています。
質問2.私に匿名で公益通報をした職員は、処罰の対象となるのですか?
(3) 通知文の問題点
ア 憲法21条によって保障される表現の自由を実現するために保障されなければならない市民の知る権利を蔑ろにする施策です。
イ 今回のような情報提供は、地方公務員の職に対する信用失墜行為だと決めつけているが、寧ろ逆であり、このような公務員の行為は、事なかれ主義が蔓延している地方公務員の中にも正義を貫こうとする者がいるということを示すことであって、地方公務員の信用を高めるものです。
ウ 要綱は市役所の内部文書に過ぎず、条例と違って法的な拘束力はありません。職員が市の要綱に従わずに外部通報をしたと言う理由で処罰することはできません。
質問3.上記の(1)〜(3)について、つくば市の見解を示してください。
(4) 「通知文」は公益通報者保護法に違反しています。
ア 市議会議員は、公益通報の外部通報先です。
公益通報者保護法第2条第1項本文には、公益通報をする相手方として、「当該役務提供先若しくは当該役務提供先があらかじめ定めた者……、当該通報対象事実について処分……若しくは勧告等……をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者……又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者」と書かれており、市議会議員は公益通報先に該当します。
イ 消費者庁は公益通報の対象となる事実について次の様に記しています。
「具体的な法令名や条項を明示する必要はなく、当該通報が『公益通報』に該当するか否か判断できる程度に、またその後の調査や是正等が実施できる程度に具体的な事実を知らせる必要がある」
ウ 市長の野放図な海外出張費の使用実態は、公費の適正な使用に関する法令違反であり、業務上横領罪に該当します。
エ 酒井泉がXで公表した公益通報の内容に虚偽はありません。虚偽の内容があると言うなら、虚偽の内容を具体的に指摘してください。
オ 公益通報は、元々上司の許可なしに出すものです。酒井泉がXで公表した公益通報の内容を理由にして、「安易に市民へ行政文書を提供しない様に、(幹部職員は)職員への指導を徹底し、厳正な職務規律の保持に努めよ」と言うのは、公益通報者に対して十分な威嚇効果があります。
質問4.通知文は修正もしくは撤回すべきと思いますが、市の見解をお示しください。