会派代表質問・一般質問一覧要旨
- 会議名
- 令和7年定例会12月定例会議
- 質問日
- 令和7年12月3日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 酒井泉 (新・つくば民主主義の会)
要旨
1 市長の政治姿勢についてお伺いします。
今年も、84年前に真珠湾攻撃があった12月8日が近づいてきました。日本が仕掛けたアジア太平洋戦争では約310万人の日本人が死にました。日本の歴代の権力者の中で最も多くの人々を虐殺したと言われる織田信長でも死者の数は10万人以下です。関東大震災の死者・行方不明者数は10万5千人です。東日本大震災による死者・行方不明者数は2万2千325人です。国としての意思決定を誤ったことによる犠牲者の数は巨大自然災害の数十倍です。このような悲惨な災いを2度ともたらさないことは、政治の一番の課題です。国や組織が意思決定を間違えないためには、情報を共有し、対等な議論を行う、民主主義の基本を守ることが必要です。しかし、人間は完全ではないので、それでも間違えることはあります。間違ったと分かった時には、引き返してやり直す柔軟性が必要です。これは地方自治の場でも同じで、「情報の共有」「対等な議論」「引き返す柔軟性」は、民主政治を実現するための基本だと思いますが、市長はこの点についてどの様にお考えでしょうか?
私の価値観を強要するつもりはありませんが、市長は民主政治の基本原則について、どのようにお考えなのかお聞かせいただければ幸いです。
2 高エネ研南側用地の一括売却と防災拠点の根本的問題について
1.つくば市の土地利用方針と実際に売却された土地利用計画は合致していません
(1) つくば市の高エネ研南側未利用地土地利用方針では、以下のように記載されています。
@豊かな自然環境、幅広い分野の研究機関や人材の集積などの最先端の取組に代表されるつくばならではの資源・特性を十分いかせるもの
A市民ニーズに対応し、地域の活性化に貢献するもの
B 東日本大震災等の教訓をいかし、市民が安全・安心に暮らせるまちを実現する
C 市民のコミュニティ形成に寄与するもの
D交通の利便性から観光や産業の振興に寄与するもの
(2) しかしグッドマンの土地利用案は以下のような内容です。
@防災拠点:全体の1割です。しかも防災備蓄倉庫と防災井戸、車両置き場と瓦礫置き場の4ヘクタールだけで、近くに長期滞在が可能な広域避難所が設けられていません。
A全体の9割が情報倉庫(データセンター)と物流倉庫で、地元雇用も創出せず、研究学園都市の理念とも関連性が薄い土地利用です。
質問1.つくば市が今回の一括売却で提示した「市民のための土地利用方針」と、実際に売却された土地の利用計画は整合していると言えるのか、見解をお伺いします。
2.一括売却の目的とも合致していません。
(1) 令和4年1月の全員協議会における説明
@一括売却の目的は、事業者を対象としたサウンディング意向踏査や、市民に提案を求めたパブリックコメントで提示された、多様な土地利用にばらばらに売却するのではなく、1社に取りまとめする民間事業者に売却し、一体的に整備してもらうとしています。
A議会の調査特別委員会の提言で示された望ましい施設の役割・機能を満たすプランを提案する民間事業者に売却し、一体的に整備してもらうとしています。
(2) しかしグッドマンの土地利用案は以下のようなものです。
@市民が使う公園やアメニティ施設は、令和4年6月のプロポーザル審査時には、備蓄倉庫の屋上緑化で、防災拠点の中に押し込められていました。さらに、今回の9月29日の全員協議会の説明では、屋上緑化の条件は勝手に取りやめとなり、市民が使う公園やアメニティ施設の条件はさらに劣化しています。
A全体の9割が情報倉庫(データセンター)と物流倉庫で、グッドマンジャパンの単一利用であり、他の事業者の提案は排除されています。
質問2.グッドマンが取りまとめるはずの多用な土地利用の提案が排除され、グッドマン1社の単独利用となってしまったのは何故か、市長の見解をお伺いします。
3.防災拠点に市民が一番望んでいる避難所がないのは何故なのですか?
パブリックコメントによる市民の意向調査では、防災拠点の提案がダントツに多かった。防災拠点について、市は「備蓄倉庫と作業車両置き場」を整備するとしていますが、大部分の市民が望んでいるのは、地区の指定緊急避難所が使えなかった場合に、安全安心が確保されて長期滞在が可能な、つくば市全域を対象とした広域避難所です。
質問3.広域避難所の市民ニーズを、防災拠点に反映しなかった理由をお伺いします。
4.なぜグッドマンの提案が優先交渉権者に選ばれたのか
(1) プロポーザル審査時の概念図では、全体の9割が市民利用とは無縁の情報倉庫(データセンター)と物流倉庫です。
(2) 他にもっと市民利用優先の土地利用提案は無かったのでしょうか? しかし、他の業者の提案内容は不明です。それも提案者の意向ではなく、市の意向で全て非公開としています。
(3) 官製談合の疑いはないことを、どのようにして証明するのでしょうか?
質問4.プロポーザル審査の提案内容を、提案者の意向にかかわらず、市の意向で全てを非公開としている理由をお伺いします。
5.プロポーザル審査及び情報公開の不透明性について
質問5-1.提示価格や項目別得点を非公開とした理由をお示しください。
質問5-2.情報公開条例の「企業利益の保護」を根拠にしているが、議会で理由の提示が無かったのは適正なのかお伺いします。
6.公益施設用地を売却し、売却した土地を公益用地として借りるというのは、前代未聞の奇策です。
まとまった市有地を、公益施設用地まで含めて一括売却し、売却した土地を売却先から借りるというのは、自治体の施策として極めて異例の、筋の悪いやり方(施策)だと思います。一体誰のための一括売却なのでしょうか?
質問6.防災拠点の契約期間が20年間しか担保されず、21年目以降の継続使用の保証がない中で、市有地を永久に失う売却方式を選んだ理由をお伺いします。
7.つくば市は筑波研究学園都市の都市計画を継承しないのか
高エネ研南側用地は、研究学園都市の都市計画で各種の研究所と筑波大学が配置された文教地区の中心であり、筑波研究学園都市の大規模な特定区画整理事業によって造成された、幹線道路が交差する交通の要衝の地にある貴重な公有地です。今後このような条件の土地をつくば市内に造り出すことは不可能です。
質問7.このようなつくば市の成長戦略上の要衝の地であるにも関わらず、地元雇用も創出せず、研究学園都市の理念とも関連性の薄い“情報倉庫”に売却したことに、何の問題意識もないのか、市長の見解をお伺いします。
8.市民利用を最優先とした土地利用への再検討はできないか?
9月29日の全員協議会の説明では、土地利用計画の実施計画があるのは、市が使用する防災拠点とデータセンター1棟のみで、全体の2割程度です。売却契約成立の条件である防災拠点の整備については、市とグッドマンは現在も交渉中ですから、残りの8割の土地利用内容について、市民利用を最優先とした土地利用への再検討の交渉は今からでも可能です。
質問8.以下の内容について、市として再検討と再交渉の意思があるのかをお伺いします。
@防災拠点については安全確実な避難所(施設)を含めて面積を拡大して買い戻し、事業者による無償提供はやめて自力で整備する。これは必要な公共事業です。
A本来の市民利用、市民のための利用提案については、固定資産税の免除などの優遇措置を設けることができます。
B国立の研究所誘致などの長期利用計画についても、長期間の保有・保全に対して固定資産税の免除や購入金の利子補給などの優遇策を講じることも有効です。
Cこれでもグッドマンは今後のインフレによる地価上昇で大きな利益を得るはずです。さらに、企業の社会的な信用の向上という無形の恩恵も得られます。
3 特別職退職金制度の改革について
質問9.特別職退職金制度の改革を今任期中に行う意思があるのかお伺いします。